ソシュールの言語学(言語学入門第一回)

[ソシュール]

 今回は初回ですから、構造言語学創始者と呼ばれるフェルディナン・ソシュール
(1857-1913)を取り上げたいと思います。ソシュールは、スイスのジュネーブ生まれの
学者で、彼が「一般言語学講義」で示した考えは当時の言語学に決定な影響を与えました。

 またソシュール言語学のみならず、1960年代から勃興する構造主義
さらにはそこからでてきたポスト構造主義と呼ばれる一群の思想にも深い
影響を与えました。しかしながら、実のところ構造言語学の仕事は、ソシュール
前期の仕事と言えます。彼は「一般言語学講義」の後にアナグラム(単語または文の
中の文字をいくつか入れ替えることによって全く別の意味にさせる遊び)の研究を
行います。しかしながら、ここでは、構造言語学とそれが与えた影響について中心的
に紹介したいと考えています。 

 したがって、この記事では、以下のように進めていきます。まず、ソシュール
言語学に関するまとめを行います。次に、彼が明らかにする言語(=ラング)の
システムについて、その特徴、特に差異の体系について説明します。さらにこの
言語学が実際にどのような考えをもたらすのかを”赤”や”blue”と行った色彩語を
用いて述べます。彼の言語学がどのように弟子たちに継承されていたのかも紹介します。
最終的に、どのように彼の言語学現代思想に利用されたのかについても少しだけ
触れたいと思います。

 また分からない、分かりにくい説明があれば、コメントを頂けると幸いです。
修正いたします。

(順次公開していきます。)

(仮の目次)
(1)ソシュール言語学の枠組み
 -言語活動、言語、発話-
 -言語の本質-
 -言語の2つの基本原理-
 -シニフィエ、シニフィアン-
 -通時態、共時態-
(2)言語のシステム
 -差異の体系-
(3)構造言語学からみた色彩語
 -色彩語における立場-
(4)構造主義言語学のその後
(5)ソシュール現代思想